2014年7月1日火曜日

DIOジャパンに関するいくつかの謎(その2)



第1弾:DIOジャパンの概要や新聞報道など
第2弾:コールセンターの一覧と撤退状況
第3弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その1)

に引き続き、いくつかの気になった点を記します。




◆共同出資の謎◆
第2弾の一覧をみていただくと『共同出資』の会社がいくつか存
在しています。

1.一関コールセンター(岩手県一関市)
まずはDIOジャパンのプレスリリースを見てみます。

※右は一関市長の勝部修氏です。

一関市HPでも確認したので設立は間違いなくDIOジャパンです。

さて、ここである会社のご紹介です。

 商号:株式会社東計電算
 本社:神奈川県川崎市中原区市ノ坪150
 創立:1970年4月
 売上:111億70百万円(2012年12月期)
 社員:742名(正社員のみ)
 事業:業種・業務毎のソリューション提供・アウトソーシング等

この会社の沿革を確認すると・・・

2012.08 コールセンター事業参入のため(株)一関コールセンターに資本参加

一関コールセンターが設立されたのは2012年5月末ですから

設立後約2ヶ月で資本参加している

という事になりますね。

そして現在、一関コールセンターのHPは会社概要だけのシン
プルな内容になっています(画像はトップページ)。


DIOジャパンの文字は全くありません・・・


2.E.A.コンタクトセンター(大分県佐伯市)
  E.A.高知コンタクトセンター(高知県四万十市)
この2社が他のコールセンターと比べると明らかに異質なのは
社名だけでも明らかですよね。

【2014/08/06追記】
両社をDIOジャパンと判断した理由は以下の通りです。
 ・E.A.コンタクトセンター ソース1※pdfソース2魚拓
 ・E.A.高知コンタクトセンター ソース1※pdfソース2魚拓ソース3魚拓
エボラブルアジアもプレスリリースでDIOジャパンとの共同
資だと明記しています。

E.A.とはEvolable Asia からきているようです。

 商号:株式会社エボラブルアジア(英文名:Evolable Asia Corp.)
 設立:2007年5月
 事業:旅行業、ウェブサイトの運営、電子商取引、損害保険代理業
 社員:478名
 本社:東京都港区芝3-5-5芝公園ビル

もともとは『旅キャピタル』というネットの旅行予約サイト?だっ
たようですね・・・旅行しないので正直聞いた事ないですけど。

まぁそれはそれとして、社名は設立時点でこの名前ですから普
通の人なら気になります。
ところが、当時の報道を調べてもエボラブルアジアの名前はほ
とんど出てきません(佐伯に関する毎日新聞の報道にはありました)

ちなみに、E.A.コンタクトセンターはHPがありますが、トップは


もう開業して半年以上経過してますが未だに開業時の募集が
トップを飾っています。


さて、一関・佐伯・四万十と見てきましたが、共通しているのは
 ・DIOジャパンが前面に立って設立
 ・実態は共同出資会社の関連会社
 ・共同出資会社はコールセンターに初参入
という事ですね。

ところで、『自社のネームバリューで人も集めるしコールセ
のノウハウも提供するから買うだけで簡単に参入でます』
みたいな・・・いわゆるソリューションビジネスを考えた場合コー
ルセンターそのものが商品になります。

売却決定が設立後の一関、設立前の佐伯・四万十

と考えると、会社名の不自然さについて筋が通る気がします・・・
NIC四万十コンタクトセンターも同じ類だと思うのですが、まだ共
同出資会社がわかってません orz



◆助成金の謎◆
報道で取上げられてる『助成金・補助金』は国の緊急雇用創
出基金事業で支出されたものを指しているようです。
困った事に、閉鎖報道でしか助成金の額が出てこないので全
体像が把握できません。

でも、DIOジャパンに関しては他にも税金が投入されています。
こちらで投稿したように

東日本大震災中小企業復興支援投資事業有限責任組合
無限責任組合員大和企業投資株式会社

というとんでもない長い名前の株主がいますが、この組合は独
立行政法人の中小企業基盤整備機構がバックにいます。
つまり、公的性格の資金ですね。


ここまでは一部の報道でも出てるんですが、実はまだあります。

誘致した市・町独自の助成金です

例として宮城県登米市(2013年)をご覧ください。


コールセンターを新たに設立する事業者に対して、宮城県と登
米市がそれぞれに様々な支援を行っています。
このように各自治体が税金をばら撒いてコールセンターを誘致
しているのが現状です。

言うまでも無い事ですが全部税金です


撤退騒動の渦中にある自治体が妙に弱腰な理由の一つは、
この助成金に注目されると自治体の責任が問われるからです。
こんな状況を見ると、

そもそもコールセンターは助成金ビジネスなのでは?

って思ってしまいます。
ちなみに、この内容はコレから引用しています。


業界団体が毎年助成金一覧を作成してます

(一般社団法人日本コールセンター協会HPは こちら です)

ちなみに、この協会の役員一覧を見ると・・・


コールセンターが撤退した拠点自治体の議会は、支援としてど
れだけの税金がつぎ込まれたのか追求するのが仕事です。
少なくとも、どこぞの議会みたいにくだらないセクハラ発言で言
い争う為に有権者は1票を投じたわけじゃありません。



◆SEガーデンの怪◆

3月開所で従業員募集

南房総市は29日、旧富山保健福祉センター(平久里中)に誘
致していたIT企業についてSEガーデン南房総に決まったと発
表し同日両者で企業立地協定を締結した。
同社は失業者を1年かけてIT技術者として育成し継続雇用に
つなげる。
SEガーデンは、全国でコールセンター事業を展開する「DIOジ
ャパン」が市の公募に合わせて立ち上げた関連企業。
ITに特化した業態は新分野だという。
SEガーデンでは、ホームページの作成、スマホアプリの開
などの業務展開をする。
当初の1年間は研修期間で失業者をシステムエンジニア・
ログラマーとして養成、研修後は正社員などとしてそのま
雇用する。
国の緊急雇用事業を活用しており、研修期間中も給与(月
17万円以上)が(税金で)支払われる。
房日新聞2014年1月29日20時00分


DIOジャパン自体が初参入・・・何か間違ってる気がしますね。
が、公募なので結果がどうなろうと選んだ南房総市の責任です。
助成金(委託費)は最大で2億円ちょっとらしいので、ドブに捨
てるような事になったら市長・職員・市議会議員の給料から天
引きで返済してもらったらいいと思います。

実は、情報通信関連企業に関してもコールセンターのように各
自治体が助成金じゃぶじゃぶで誘致を競っています。

あなたの居住地自治体はジャブジャブしてませんか?



◆SEガーデン萩の小ネタ◆2014/07/02追記】

Google先生で『seガーデン萩』を検索してみました。


1ページ目の結果ですが、トップ3はSEガーデン萩のHPです。
4つ目はアドレスからすると山口県萩市のHPのようです、では
拝見してみましょうか。


はて?

じゃあGoogle先生のお力(キャッシュ)で拝見してみましょうか。


ん?



萩市が問題発覚後に削除したようですね

スクリーンショットは取得できましたが、Google先生が妨害して
るらしくWeb魚拓は取れませんでした。

萩市はよほど後ろめたかったんでしょうか?


【関連投稿】
 第 5弾:おいらせで垣間見えた、DIOジャパンのビジネスモデル
 第 6弾:厚生労働省が調査、中間報告を公表
 第 7弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その3)
 第 8弾:DIOジャパンのあれこれ(その1)
 第 9弾:DIOジャパンのあれこれ(その2)
 第10弾:DIOジャパンのあれこれ(その3)
 第11弾:こっそり倒産していた事が判明
 第12弾:民事再生法適用申請却下、破産へ・・・
 第13弾:ご破算と思われた気仙沼コールセンターの事業譲渡が完了 2015/02/10
 第14弾:債権者集会、「お金ないから未払い給与は払えないョ」 2015/03/19
 第15弾:厚生労働省が1年4ヶ月かけて最終報告を発表 2015/11/07

時事四方山(よもやま)話は こちら です。


トップ画像:コールセンター.JP2011年01月04日 09:00

5 件のコメント:

  1. ノリスケ様

    NIC四万十コンタクトセンターの社長「曽根邦夫」と「NIC」で検索すると、「株式会社ネットワークインフォメーションセンター」という会社が見つかりました。社長が一緒です。

    SEガーデン南房総・萩の社長「中田智之」は「株式会社Lavan7」の社長でもあるようです。
    現在、このLavan7社は、在籍出向でSEガーデン南房総の研修講師の求人募集をしています。
    自社HPには情報がありませんが、求人サイト上でSEガーデンが関連会社である事が起債されています。DIO社の名前は出てきません。


    自社の求人情報比べると給与が異なるので(南房総のほうが高いです)、原資は別々なのでしょうか?

    助成期間中の2015年2月までは契約社員、それ以降は正社員としてSEガーデンかlavan社での勤務を選べるそうです。

    この1週間くらいで出てきた求人ですが、DIO社の名前がなぜ出てこないのか、なぜこのタイミングなのかが気になります。

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    1. コメントありがとうございます。

      NICに関してご指摘の会社は把握していたのですが、
       ・既にコールセンターを運営してるっぽいのでメリットが思いつかない
       ・その会社とNIC四万十を繋ぐ報道やプレスリリースが見当たらない
      という点から断定しかねています。

      SEガーデンは・・・萩にもあったんですね、知りませんでした orz
      enジャパンで確認しましたが確かに出向で求人募集してますね。
      自社の求人は開発要員、南房総は講師なので給与が異なって
      いるのだと思います。

      そもそもDIOジャパンには『自治体の助成金を使ってなんちゃら
      センターを設立する』というノウハウがあってもSE育成やソフト開
      発のノウハウがありません。
      だから、DIOジャパンは設立までしか関与してないのではないか
      と推測しています。

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  2.  萩市にすむものです。萩市のホームページに進出協定を結んだ時の記事があったと思って探してみましたがありませんでした。検索してここに来ました。画像が残っていたのでコピーさせてもらいました。fbに載せたいと思っています。どうかお許しください。6月にしんぶん赤旗に記事が載って検索をしてみて、全国でこんなことになっていることがわかり不安を募らせていました。予算が出た時は、委託事業が終わった後に事業は継続するのかという疑問をぶつけたのですが、市当局は「継続をお願いしている」「継続してもらえるだろう」という回答でした。しかし親会社が休業した今、現地法人がどうなるか見込みは立ちません。このサイトにまとめてある記事を参考に今後の取り組みを考えていきたいと思います。ありがとうございました。

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    1. コメントありがとうございます。
      自治体が公表内容を削除するのは問題だと感じたので掲載しています。
      もともとキャッシュを勝手にコピペしてるだけで私に著作権があるわけじゃ
      ないですが、何かお役に立てるならお使いください。

      萩に関しては(株)Lavan7が実質的な経営を担っているようなのですぐに
      影響はないかも知れませんが、
       ・SEを1年で育成して業務ができるレベルになるのか
       ・(株)Lavan7にそれだけの仕事量があるのか
       ・そもそも何故コールセンターしか経験のないDIOジャパンにLavan7はのったのか
      など気になる点はあります。

      南房総と同じだとすると今年12月~来年3月あたりで助成金が終わる
      はずなので時間的にあまり余裕はありません。
      これ以上後手にまわらない為にも、自治体や市議会が積極的に関与す
      るよう働きかける事できればいいのですが・・・

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  3. ご無沙汰しています。案の定、8月末をもって、SEガーデン萩は事業閉鎖しました。社員は全員解雇。今、会社は残っていますが、社員はいません。市役所の商工部長に、誰が責任を取るのかと聞くと、1年間事業を継続して研修したので責任を果たしたと言いました。これが行政のやることです。誰も責任を取らないわけです。2億円はどこに行ったのか。誰の利益になったのか。本当にこんなものを誰が考えたのか。

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※1.コメントは管理人の承認後表示されます。
※2.何故かコメントに返信できません、ごめんなさい m(_ _;)m