2014年7月31日木曜日

DIOジャパンに関するいくつかの謎(その3)


気がついたらDIOジャパン関連の投稿も第7弾になりました。


◆幻のコールセンターの謎◆
DIOジャパンについていろいろ調べてる内にふと思いました・・・
コールセンターとしてスタートしたのなら最初からどこかにコール
センターが存在したはずです。

でも会社の沿革を見ると・・・


都城が最初のコールセンターになってます。
普通に考えて銀座は本社機能だけだろう・・・とすると松山本店
にはコールセンター機能があるんじゃね?

愛媛県松山市三町3丁目12番13号

大きな地図で見る

コールセンターをやっててもおかしくない大きさです。
という事は、松山本店と呼称してるだけでコールセンターもある
のかなぁ・・・と思ったのですが、こちらをご覧ください。

TKP、コールセンター運営のTKPテレマーケティングを設立

全国で貸会議室を企画運営する(株)ティーケーピー(以下TK
P)は、コールセンター運営子会社(株)TKPテレマーケティング
を2010年9月10日に設立いたしました。

この度設立したTKPテレマーケティングは、株式会社DIOジャ
パンが運営する松山コールセンター事業を20百万円で譲
受けコールセンター事業に進出いたします。
その第一弾として、2010年11月1日より、(株)昭文社が運
営する「MAPPLE トラベル」のコールセンター業務を一括受託
し、各種問い合わせサポート業務を開始いたします。
株式会社ティーケーピー報道発表2010年10月27日) ※PDF


PDFは存在しておりアドレスからするとTKPのものに間違いない
のですが、ニュースリリース一覧には何故か存在していません。


まぁTKPはおいといて、確かに松山本店にはコールセンターが
存在してましたが・・・

2010年に事業ごと売り払っています

しかも同じタイミングで小倉コールセンターを設立しています。
この流れを見ると、震災後にコールセンターを乱立させてるの
がいかに不自然な事かよく分かりますよね。
この辺りでDIOジャパンの向性が変わったとすると、本門の
り子(旧姓 小島)氏を焚きた人物が周囲にいたんじゃ?
社外取締役か役員あたりにそれらしい人がいるのかなぁ・・・



◆小倉コールセンターの謎◆

ニュースリリース


2010年11月小倉コールセンター開設とあるのですが、この
住所を調べて見たら同じ住所に・・・


WAM NET


福岡県の資料を確認しても、このヘルパーステーションは今も
存在しているようです。※リンクはPDFです

朝日イーストビル202

の構造が分かりませんが、複数の企業が202に同居してない
なら小倉コールセンターは現存してない事になりますね。



◆無責任な自治体の謎◆
今月末で閉鎖見込みだったにかほですが、急転直下で業務移
譲となりました。

にかほコールセンター、譲渡合意

にかほ市は28日、「にかほコールセンター」を秋田市でコール
センターを開設しているプレステージ・インターナショナルに譲
渡することで大筋合意したと市議会に報告した。

市の説明によると、今月25日DIOとの間で市の3セク「にかほ
市観光開発株式会社」へ無償譲渡するとの契約を結んだ。
これを受けてプレステージ社と給与や待遇面などを詰め、31
日までにプレステージ社への譲渡協定書を取り交わす方針。
DIOから観光開発社、観光開発社からプレステージ社への譲
渡はいずれも8月1日付、「プレステージ社がDIOのマイナスイ
メージを嫌ったため」(市幹部)に取られた措置とされる。

プレステージ社は当面にかほコールセンターの仁賀保事業所
を使うものの、DIO仕様のシステムのため、未使用の象潟事業
所に早急に移転し自前のシステムを作りたい考え。
市は財政的な支援を検討する。
読売新聞2014年07月29日


この記事の3日前にはこんな記事が・・・(重複内容を省いてます)

コールセンター、3セクで信用担保

コールセンター誘致の背景にあるのが市内の製造業の衰退だ。
にかほ市は典型的な企業城下町だが企業・工場の撤退が相
次ぎ、市の統計によると製造工場は
 1998年:149ヶ所
 2012年: 87ヶ所
と4割以上も減少し法人住民税も1億3026万円と4分の1以
下に目減りした。

こうした状況から、市はTDKの工場閉鎖に伴うの離職者の雇
用先を確保し製造業一辺倒の産業政策を見直し新産業分野
の育成を目指した。
既に、にかほコールセンターの仁賀保・象潟両事業所の施設
整備だけで1億6000万円を投資しておりこれを無駄にするわ
けにはいかない。
読売新聞2014年07月26日


報道では助成金ばかりがフォーカスされてますが、にかほ市は
1企業を誘致する為に1億6,000万円も税金を突っ込んで
設を作りました。

にかほ市は人口26,632人(6月30日時点)、平成25年度の
財政は150億円規模ですが国・県からの補助金と市債が半
以上を占めており市債の発行残高は180億円強です。
平成26年度にかほ市財務報告書より) ※リンク先はPDFです

この財政状況で億単位の金を突っ込んでこの顛末、しかもさら
支援するとか言い出してます。
企業なら責任問題ですが自治体には責任という概念がないの
でしょうか?・・・にかほ市の市民はどう感じてるんでしょうね。
まぁにかほ市に限らず、地方自治体はどこも同じような事をして
います。
住民はもっと地方自治体を厳しくチェックしてムダ使いの責任を
取らせるべきだと思います。

なんて偉そうな事を言っていますが、管理人の住む兵庫県には
号泣県議がいたんだから人の事は言えませんね orz



◆おまけ◆

DIOジャパンニュースリリース2013年4月26日)(魚拓

おもてなし経営企業選 開催概要
経済産業省では
 ①社員の意欲と能力を最大限に引き出し
 ②地域・社会との関わりを大切にしながら
 ③顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営
「おもてなし経営」と称し、地域のサービス事業者が目指
ビジネスモデルの一つとして推奨しています。
「おもてなし経営」を実践されているベストプラクティス企業を全
国各地から発掘しサービス事業者の皆様に対して経営改革の
ヒントとなる取組を御紹介するべく実施しています。

このビジネスモデルを経済産業省が推薦しちゃダメでしょ

補助金でDIOジャパンを お・も・て・な・し ですね。


ちなみに、一般社団法人CRM協議会

2011ベストプラクティス賞

という賞も受賞していますDIOジャパンニュースリリース2013年4月26日)(魚拓



こちらも経済産業省の天下り団体が後援しています。
過去の受賞には
 ・ノバルティスファーマ(臨床研究の不正事件)
 ・アコーディアゴルフ(買収騒動で泥沼)
 ・ベネッセ(顧客情報流出)
などの優れた(笑)企業も名を連ねています。


このような受賞以外にも政治家さんが一生懸命応援しています。
2011年のDIOジャパン創業10周年記念パーティーには


東国原英夫氏旧姓:そのまんま 前宮崎県知事)ソース)(魚拓


山本順三氏(参議院議員 自民党幹事長代理ソース)(魚拓

をはじめ、誘致先自治体の方々も多数参加されています。
『DIOジャパン ロイヤルカスタマーパーティー』等の文言でググ
ると地方自治体の参加について色々出てきますョ。


その一方でこういう弁護士さんもいます。

復興支援、法律事務所閉所 釜石で3年

東日本大震災後に釜石市に「震災復興をめざす 岩手はま
り法律事務所」を開いた滝上明弁護士が、開所から3年となる
11日事務所を閉所する。

滝上氏は大阪府出身、2006年日本弁護士連合会が釜石市
に開設した公設事務所「釜石ひまわり基金法律事務所」の初
代所長に就任し2011年2月20日まで働いた。
その後東京の弁護士事務所にいったん就職したが、「第2のふ
るさと」と呼ぶ釜石市の惨状が気になり再び釜石に戻り7月11
日に事務所を開設した。

釜石市・大槌町の仮設住宅を回り被災者の法律相談にのった
り自宅まで出向く無料の出張法律相談など、3年間で約630件
の相談を受けた。
被災者に配慮して報酬を安くするなどした為貯金を崩しながら
の活動だったが、約3,000万円の私費を費やしやむなく閉所を
決断した。
読売新聞2014年07月11日


DIOジャパンの釜石コールセンターは2012年11月開設、4,7
00万円の税金(と釜石市からの支援)を突っ込んでも雇用はピ
ーク時で計画の半分以下、しかも今年6月で撤退しました。
雇用はなくなり残ったのは給与未払い問題だけです。

一方、私財3,000万円投じて3年間被災地域で活動してきたけ
ど経済難で弁護士が撤退しました。

同列で扱う話ではないのですが、何となく

税金の使い方に納得できない不条理を感じます


【関連投稿一覧】
 第 1弾:DIOジャパンの概要や新聞報道など
 第 2弾:コールセンターの一覧と撤退状況
 第 3弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その1)
 第 4弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その2)
 第 5弾:おいらせで垣間見えた、DIOジャパンのビジネスモデル
 第 6弾:厚生労働省が調査、中間報告を公表
 第 7弾:この投稿
 第 8弾:DIOジャパンのあれこれ(その1)
 第 9弾:DIOジャパンのあれこれ(その2)
 第10弾:DIOジャパンのあれこれ(その3)
 第11弾:こっそり倒産していた事が判明
 第12弾:民事再生法適用申請却下、破産へ・・・
 第13弾:ご破算と思われた気仙沼コールセンターの事業譲渡が完了 2015/02/10
 第14弾:債権者集会、「お金ないから未払い給与は払えないョ」 2015/03/19
 第15弾:厚生労働省が1年4ヶ月かけて最終報告を発表 2015/11/07

時事四方山(よもやま)話は こちら です。


2 件のコメント:

  1. 東京商工リサーチにのりましたね。

    松山は全センターの経理事務みたいな事とかWebとかをやってたはずですが、人数は三人くらいしかいなかったはず。
    ちなみに東京コールセンター事業部なんてのもありまして、本社営業がアウトバウンドしまくってました。

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    1. コメントありがとうございます。

      第7弾を作成してる間に東京商工リサーチから業務休止の速報が入ってたんですね・・・
      しかも小倉が閉鎖されてるとか書いてあるし orz
      有耶無耶の内に終了って流れになりそうで嫌ですね。

      この投稿のトップに使った画像は東京商工リサーチの速報を知らずに作ったんですが
      図らずも今のDIOジャパンを見事に表現してるかなぁ(と自画自賛してみます)。

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