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2014年3月1日土曜日
国産有機ELの灯が一つ消える・・・(株)イー・エル・テクノが破産
社名:株式会社イー・エル・テクノ
資本:5億1742万5000円
本社:福岡市早良区百道浜3-8-33
代表:豆野和延
社員:13名
は2月19日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。
当社は有機EL照明パネルの成膜工程からモジュール組み
立てまで一貫して製造する事業を計画、地場を含む大手企
業や投資ファンドなどからの出資を集めるほか国や基金など
からの助成金も得ていた。
2011年10月には約15億円を投じて熊本県合志市に工場
を設置、2012年3月から試作品の製造を開始していたが、
計画進捗の遅れや研究開発費が嵩んで大幅な経常欠損に
陥った。
2013年秋口からの量産本格化を目指していたが設備投資
にともなう有利子負債が重荷となり資金繰りが悪化、追加出
資の見通しも立たず今回の措置となった。
負債は約13億9300万円。
(帝国データバンク大型倒産速報20140225)
・・・残念ですね orz
日本の産業凋落が叫ばれる割にこういう先を見据えた事業
に投資が集まり難いのは悲しい現実でしょうか。
今太陽光発電に補助金出すならこういう先行投資の分野に
こそ金をつぎ込んで国内産業を育成したら良いと思うけど。
ここでちょっとこの会社についてご説明しましょう。
日経新聞電子版2011/12/6 7:00からの大雑把な抜粋な
ので興味のある方は原文もご一読ください。
三洋電機OB リストラ技術者たちが挑む“照明革命”
次世代照明と期待される有機EL照明分野で注目されている
のが有力ベンチャー企業のイー・エル・テクノだ。
有機EL照明を普及させるために必要な低コストのパネル量
産技術で先行している。
このベンチャーを設立したのは三洋電機と米イーストマン・コ
ダックの合弁会社で有機ELディスプレー生産に関わった技術
者たち、合弁会社の解散によるリストラという悲哀を味わった
が、その後はちりぢりになった仲間が再び結集し、先端市場
に挑んでいる。
発売時のサンプル価格は32センチ角の基板で2万円を予定。
パナソニック電工など大手が見込む価格のおよそ10分の1
にしている。
「大手が出てくる前に市場を抑えておきたい。まず安くものを
つくって、こうした使い方があるよとマーケットを開拓したい」と
豆野社長は話す。
~かなり省略~
豆野社長らが関わったエスケイ・ディスプレイは2001年に三
洋電機と有機ELの基本特許を持つ米イーストマン・コダック
が合弁で設立、世界初のフルカラー有機ELディスプレー量産
に乗り出した。
しかし液晶との競争に勝てず三洋電機が再建に取り組む過
程で05年解散撤退した。
こうした過去の轍(てつ)を踏みたくないというわけだ。
三洋電機出身の豆野社長は合弁会社の解散の時に、有機
ELディスプレーに関わり続けたいとコダックに移籍したが、
コダックもその後同事業から撤退した。
関わった仲間はちりじりになる。
同分野に関心を持つ韓国や中国の企業に声をかけられた仲
間も多く、豆野社長自身中国企業に勤めた。
しかし、三洋時代の上司だった米田清氏らとともにもう一度日
本で有機ELに取り組もうとイー・エル・テクノを立ち上げた。
株式会社イー・エル・テクノのHPトップ画像です。
製品です。
う~ん、素人の感想なので的外れかもしれませんがデザイン
に懲りすぎて普及を目指してるように見えません orz
技術者出身の集団故でしょうか、本当にビジネスを考えてた
ならもうちょい実用的で数が見込める製品に落とし込んだカ
タログにしないとダメな気が・・・
HPからはビジネスというよりアートをめざしてるようなのんび
りした印象を受けました。
ビジネスとお金に関してしっかりした感覚をもった人間がいた
ら違った結果になったのかもとか思ったり。
気が付いたら韓国や中国企業に買い叩かれ、その技術で生
産された海外製品に日本企業が駆逐される負のスパイラル
にならない事を祈ります。
電球関連の総合リンクは こちら です。
(トップ画像:Candle Water Flame)
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