2014年7月17日木曜日

DIOジャパンに関する調査中間報告を公表(厚生労働省)



いくつかの報道機関が部分的に引用して報じていますが、7月
15日に厚生労働省が『緊急雇用創出事業に係る(株)DIOジ
ャパン関連子会社への調査(中間報告)』を公表しました。

内容があまりにショボいいかにもお役所仕事だったのでポイン
トだけを掻い摘んでご紹介します(原文はこちらです)。


【調査主旨】
 緊急雇用創出事業に係るDIOジャパン関連子会社への調査


【調査内容】
 ・事業受託期間終了後の大量退職者発生について
 ・給与支払いの遅延について
 ・緊急雇用創出事業により発生した収入の取扱について


【調査方法】
 都道府県に依頼+本社に訪問調査


【調査結果】
1.事業受託期間終了後の大量退職者発生について

<事実関係>
緊急雇用創出事業実施期間中には解雇及び雇い止めは確
されていない。
しかし一部の関連子会社において緊急雇用創出事業終了後
数ヶ月のうちに雇い止めにより大きく雇用者数を減らしてい
ところがあったり、他社への譲渡を実施又は計画中である。

<対応の方向性等>
緊急雇用創出事業は次の就職に繋げるための人材育成を行
う有期雇用なので、事業期間終了後に雇用が継続されな
と自体は制度上委託契約としての問題とはならない。

なお、自治体が関連子会社の設立時に企業立地協定を締結し
て雇用継続について具体的な約束をしている場合がある。
こうした場合には、当該関係子会社と自治体との間で協定等の
遵守に関する問題が生じることが考えられる。


2.給与支払いの遅延について
<事実関係と対応>
緊急雇用創出事業実施期間中の給与遅配は気仙沼コールセ
ンターしか確認されておらず、DIOジャパン本社代表取締役に
対して厳重に指導した。
DIOジャパン本社によると、関連子会社における緊急雇用創出
事業終了後の給与支払いの遅延は

10県15市町16事業所で、4・5月分給与計約7,320万円

となっており解消に向けて努力を行っている旨の説明があった。


3.緊急雇用創出事業により発生した収入の取扱について
<事実関係と対応の方向性>
一部の関連子会社で業務をOJT として実施させていたことは
認められたが、研修事業全体に要した経費を差し引いて利益
が残っているか調査・確認しないと判断できない。



都道府県に調査丸投げかよっ!という突っ込みもありますが、
とりあえず内容をめっちゃ端的に説明しますと

・そもそも職業訓練だよ、雇用継続?何勘違いしてんの?(笑)
・立地協定はDIOジャパンと地方自治体の問題、知らんがな(´・ω・`)
・事業終了後の給与遅配は・・・まぁ話し合って解決してネ

という事で、全部緊急雇用創出事業終了後の問題だから厚生
労働省に責任はない。

そういう話なら制度自体に問題があるので管轄する厚生労働
省が諸悪の根源という事になります。
コールセンター業界に天下りでもしてるんでしょうか?



それはさておき、中間報告からいくつか分かった事があります。
こちらでも掲載してる一覧ですがちょっと貼り付けます。


長野県の『上田コンシェルジュセンター』が存在するようです。
上田市の平成25年度起業支援型地域雇用創造事業の採択
事業に上田コンシェルジュセンター(株)が確認できました。
ハローワークで求人募集もされてたのですが設立に関する発
表や会社のHPが何も見つかりません。
規模が5名程度で小さい為かな?(助成金は交付されてます)
求人募集に「来年2月末で雇い止めになるかもYO」とあるので
恐らく今年の3月に設立されたんでしょう。

今回調査対象になったのは『代表者がDIOジャパンの関係者
かつDIOジャパンの出資率が50%を超える事業所』です。
青く塗った拠点は調査されてない=上記条件を満たさないという
事ですので、既に確認できている
 ・一関(東計電算)
 ・佐伯(エボラブルアジア)
 ・南房総(Lavan7)
 ・萩(Lavan7)
 ・四万十市(エボラブルアジア)
以外にも
 ・つがる
 ・かわさき
 ・三豊
 ・四万十町
は共同出資者か実質的な経営会社が存在すると思われます。


そういえば、ここまで騒ぎになるとクライアントに関する情報が
もっと出てきてもおかしくないんですが楽天トラブルトラベル以
外ほとんど聞かないですよね。
DIOジャパンの会社概要によると
 ・全旅連シルバースター部会「人に優しい宿」コールセンター」
 ・楽天トラベル(株) 国内宿泊予約センター
 ・(株)昭文社 まっぷるマガジンたびえーるコールセンター
 ・(株)ぐるなび ぐるなびトラベルコールセンター
などがあるようですが、他にどんなクライアントいるんだろ?



◆おまけ◆

http://diojapan.jp/0714.pdf

ファイルのプロパティは 2014/07/14 19:52:25 、つまり掲載後
わずか30分であわてて削除した内容があったようです。
未だ掲載されてない事からすると単なる誤字脱字の類ではな
かったと推測されます。

このタイミングだと志摩か鶴岡に関する内容かな?
あわてて引っ込めたという事は、翌日の厚生労働省の中間報
告を知って内容的にマズイと判断したとか?

幻の文書ですね・・・


【関連投稿一覧】
 第 1弾:DIOジャパンの概要や新聞報道など
 第 2弾:コールセンターの一覧と撤退状況
 第 3弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その1)
 第 4弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その2)
 第 5弾:おいらせで垣間見えた、DIOジャパンのビジネスモデル
 第 6弾:この投稿
 第 7弾:まとめてみてわかったいくつかの疑問(その3)
 第 8弾:DIOジャパンのあれこれ(その1)
 第 9弾:DIOジャパンのあれこれ(その2)
 第10弾:DIOジャパンのあれこれ(その3)
 第11弾:こっそり倒産していた事が判明
 第12弾:民事再生法適用申請却下、破産へ・・・
 第13弾:ご破算と思われた気仙沼コールセンターの事業譲渡が完了 2015/02/10
 第14弾:債権者集会、「お金ないから未払い給与は払えないョ」 2015/03/19
 第15弾:厚生労働省が1年4ヶ月かけて最終報告を発表 2015/11/07

時事四方山(よもやま)話は こちら です。


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